けいれんについて
けいれん発作は、脳や運動神経系の異常によって引き起こされ、本人の意志とは無関係に筋肉が勝手に強く収縮してしまう状態です。この状態をけいれんと呼びます。
けいれん性の収縮は、てんかんによく見られますが、けいれん発作の場合、発熱、脳腫瘍、脳梗塞などの脳疾患、破傷風、三叉神経痛、片側顔面けいれん、眼瞼けいれんなどでも起こります。また、てんかんは繰り返し発作が起きるのに対し、けいれんは一過性のものです。
けいれんは、全身性のけいれんと一部の筋肉に限定される局所性のけいれんに区分されます。全身性のけいれんの場合、脳の疾患が原因である可能性がありますので、発作がおさまっても放置せず速やかに医療機関で受診してください。
けいれんの種類
全身性けいれん
全身の筋肉が同時に収縮し、全身がけいれんする状態です。てんかん発作の一形態である大発作がこれに該当します。
局所性けいれん
特定の筋肉や筋群が限定された範囲でけいれんする状態です。例えば、片側顔面けいれんや片麻痺性けいれんがこれに分類されます。
部分発作
脳の特定の領域で発生する発作で、局所性けいれんの一種です。てんかんの一形態であり、意識の喪失や意識の低下などの症状が伴うことがあります。
非てんかん性けいれん
脳の異常や外部要因によって引き起こされるけいれんで、てんかんではない原因によるものです。例えば、発熱性けいれんや脳損傷によるけいれんがこれに分類されます。
発熱性けいれん
発熱によって引き起こされるけいれんで、通常は小児に見られる状態です。発熱が原因で発生する一過性のけいれんです。
けいれんの診断方法
病歴を詳しくお聞きし、症状や発作の特徴、発作の頻度や持続時間などを把握します。
その他、必要に応じて、MRI検査での画像診断、血液検査などが行います。
けいれんの治療方法
てんかんが原因である場合
抗てんかん薬での治療になります。
脳の特定の部位に異常がある場合
手術が必要な場合がありますので、手術が可能な医療機関へ迅速に紹介いたします。
顔面けいれんなどの場合
- 神経への血管の接触が原因の場合はそれをを取り除く手術が必要になります。
- 筋肉を緊張させている神経の働きを抑制するボツリヌストキシンを有効成分とする薬を筋肉内に注射するボツリヌス療法を行います。
てんかんについて
てんかんは、脳の神経細胞の異常な活動によって発作が起こる神経学的な疾患で、神経細胞の異常な活動によって脳の電気的なシグナルが混乱し発作が引き起こされます。発作は、様々な症状を示すことがあり、意識喪失や筋肉のけいれん、感覚の異常などが含まれます。
てんかんは、発作の再発性を特徴としており、発作が1度だけの場合は、てんかんという診断はなされません。
原因は多岐にわたりますが、脳の先天的な異常、脳損傷、感染症、代謝異常、または脳血管障害などが関与することがあり、遺伝的な要因もてんかんの発症に関連しているケースがあります。
てんかんの主な症状
全身性けいれん
全身の筋肉が急激に収縮し、意識を失うことがあります。
局所性けいれん
片側の手や顔のけいれんなど、特定の筋肉や筋群がけいれんすることがあります。
意識障害
発作中に意識が消失することがあります。
感覚異常
発作中に視覚や聴覚、味覚、嗅覚などの感覚が変化することがあります。
てんかんの診断方法
病歴を詳しくお聞きします。発作の症状や頻度、発作のトリガー、家族歴などを確認します。
その他、必要に応じて、MRI検査での画像診断を行います。
てんかんの治療方法
抗てんかん薬での治療
てんかんの治療には、抗てんかん薬が一般的に使用されます。これらの薬は発作の頻度や重症度を軽減し、発作を抑制する効果があります。