当院は『頭痛外来』で頭痛のお悩みを
解決できるようサポートいたします
頭痛はよくある症状で日本人の3〜4人に1人は頭痛を感じていると言われています。
仕事や学業のストレス、不規則な生活習慣、眼精疲労、姿勢の悪さなどが頭痛の原因となることがあります。また、季節や気象の変化にも頭痛が関連することがあるとされています。
当院では、患者様から症状について詳しくうかがい、必要に応じてMRI検査などを行います。
脳の病気があるかどうかを診断し、追加検査や入院など、より専門的な診療が必要となった場合は、専門医療機関へ紹介させていただきます。
MRI検査などで脳に異常が見つかることは多くはありませんが、頭痛の種類と原因を見極め適切な治療を行っていきます。
治療期間中は、頭痛の周期や頭痛の強さ、頭痛が発生するきっかけ、薬の服用量や頻度、服用するタイミングなどを記録していただきます。
その記録を元に、鎮痛剤の服用量や、頭痛発生の引き金となっている出来事など、生活習慣の面からの改善もサポートいたします。
頭痛治療は、一度受診してそれでお終いというものは少なく、継続して診察を受けていただき、日々の様子に合わせ薬の調整をしていくことが重要です。
頭痛記録を付けられる便利な『頭痛ダイアリー』というものがあります。宜しければご利用ください。
主な二次性頭痛
二次性頭痛はMRI検査にて異常を認める疾患の総称です。
くも膜下出血、脳動脈解離、静脈洞血栓症などさまざまな疾患があり、命をおびやかすケースもあるため迅速に正確な診断をする必要があります。
脳出血・くも膜下出血
脳出血・くも膜下出血は、脳卒中の一形態で脳内の血管が破裂し血液が脳の周囲の組織に流れ出る状態です。
異常な出血が脳を圧迫し神経組織に損傷を引き起こします。
主な原因は高血圧ですが、他にも動脈瘤、動脈硬化、血管異常、出血性脳腫瘍、血液凝固異常などが関与することがあります。外傷や脳卒中の後にも脳出血が発生することがあります。
頭痛、嘔吐、意識喪失、意識の混濁、片麻痺、言語障害などがおこることもあり、症状は出血の場所と量によって異なります。
脳出血の治療は、症状の重症度や原因によって異なりますが、手術が必要な場合があり、高血圧が原因である場合、薬物療法が行われることがあります。
急性髄膜炎・脳炎
急性髄膜炎は、髄膜が炎症を起こし、脳と脊髄を覆う膜が影響を受ける状態を指します。
通常、この病態は感染症が原因で引き起こされ、緊急性が高い臨床的な状態です。髄膜炎は様々な病原体、例えば細菌、ウイルス、真菌によって引き起こされることがあります。
主な症状としては、頭痛、発熱、頚部硬直(頭を前後に動かりにくい)、光過敏症(明るい光に敏感)、嘔吐、意識の変化などが含まれます。これらの症状は通常急速に進行し、数時間または数日で健康な状態から重症になることがあります。
感染症が主な原因であり、細菌性髄膜炎が最も一般的ですが、特に新生児や免疫機能が低下している人々に影響を与えることがあります。
感染は通常、呼吸器系や耳、副鼻腔、皮膚からの感染が原因で、血液を介して脳や脊髄に到達します。ウイルス性髄膜炎は感染した個体からの飛沫感染や直接の接触によって主に広がります。
脳腫瘍
脳腫瘍は、脳内またはその周囲に形成される異常な腫れの総称です。
これには、良性腫瘍(腫瘍細胞が局所的な領域に留まり、他の部分に広がらない)と悪性腫瘍(がん細胞が他の部分に広がる可能性がある)が含まれます。
症状は腫瘍の位置、サイズ、種類によって異なりますが、頭痛、嘔吐、てんかん、認知機能の変化、感覚異常、筋力低下などが一般的な症状であり、これらは主に腫瘍が圧迫や周囲の組織への影響によるものです。
脳腫瘍の原因は複雑で、特定の要因が特定の腫瘍タイプに関連している場合もあり、遺伝的な要因、環境要因、放射線曝露、免疫系の異常などが一般的な原因として挙げられます。
側頭動脈炎
側頭動脈炎は、自己免疫性の疾患であり、頭部の側頭動脈周囲の大動脈に炎症が生じるものです。この疾患は別名で巨細胞性動脈炎とも呼ばれ、通常は50歳以上の高齢者に見られ、主に動脈の中膜層に炎症が生じることが特徴です。
主な症状には、頭痛、頭皮の圧痛、咀嚼時の顎の痛み、視力の低下、頭部や顔の腫れ、発熱、全身倦怠感などが含まれます。特に、咀嚼時に強まる顎の痛みや頭痛がよく見られます。
この疾患は大動脈炎症症候群と関連しており、大動脈弁狭窄症や大動脈瘤の形成など、重篤な合併症を引き起こす可能性があり、視神経への血流の低下が視力低下や失明を引き起こす可能性があります。
発症には特定のリスク因子が関与している可能性がありますが、具体的な原因はまだ完全に解明されていません。遺伝的な要因や免疫系の異常が関与する可能性があります。
高血圧性脳症
高血圧性脳症は、急激な高血圧上昇によって引き起こされる神経学的な症状や脳機能の異常を指し、これは高血圧が急速に制御されない際に発生しやすい状態です。
高血圧性脳症の症状は幅広く、頭痛、めまい、視覚障害、嘔吐、けいれん、意識障害、混乱などが含まれます。
これらの症状は、脳の機能が高血圧の影響を受けた結果として生じます。
高血圧性脳症の主な原因は通常、急激な血圧上昇が基になっており、高血圧が急速に制御されない場合に、脳の自己調節機構が適切に機能せず、脳内の血管が拡張したり浮腫んだりすることが関与しています。
慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫は、硬膜下に血液が蓄積してできる状態であり、通常、外傷や高齢者においてより頻繁に発生します。慢性硬膜下血腫の症状は徐々に進行し、頭痛、意識障害、認知機能の低下、吐き気、嘔吐、歩行困難などが含まれます。これらの症状は脳の圧迫や機能の障害によるものです。慢性硬膜下血腫は、頭部外傷、特に軽度の外傷が繰り返されることによって引き起こされることが一般的です。
脳動脈解離
脳動脈解離は、動脈の壁が破れて血液が漏れる状態を指し、これは通常、動脈壁の中の層が互いに剥離することによって生じます。
この過程により、血液が剥離した層に侵入する可能性があり、症状が進行すると周囲の組織に血液が漏れることがあります。
症状には、頭痛、顔面または首の疼痛、視覚障害、言語障害、片側の強い頭痛、めまいなどが含まれます。これらの症状は解離が進行するにつれて現れ、時には急激に進行することがあります。
脳動脈解離の主な原因は、通常、外傷や動脈の壁に影響を与える出来事です。急激な頭部の回転や伸展、振動、頚部の急激な動き、または先天的な組織の弱さが引き金になる可能性があります。
静脈洞血栓症
静脈洞血栓症は、脳内の静脈洞が血栓で閉塞される状態を指し、これは脳内の静脈で特に重要な部分であり、血液が脳から心臓に戻る経路として機能しています。
静脈洞血栓症は比較的まれではありますが、重篤な病態であり、発症すると脳に十分な血液が供給されなくなり、さまざまな症状が現れます。
症状は多岐にわたりますが、頭痛、けいれん、意識障害、視覚異常、吐き気、嘔吐、脳圧亢進による症状などが含まれ、これらの症状は血栓が形成された静脈洞とその周辺の脳に影響を与えることによって引き起こされます。
静脈洞血栓症の原因には、血液の凝固異常、頭部外傷、感染症、妊娠や出産、抗凝固療法の中止、特定の炎症性疾患などが含まれます。
妊娠中の女性にも発症することがあります。
片頭痛治療薬について
CGRP(Calcitonin Gene-Related Peptide)関連の予防薬は、片頭痛の予防に使用される比較的新しい治療法の一部です。
CGRPは片頭痛発作に関与する神経伝達物質であり、CGRP関連予防薬はその作用を阻害し、片頭痛の発作を減少させることが期待されています。
以下に、主なCGRP関連予防薬を紹介します。
医療費が高額になった場合、医療費助成を利用できます。詳しくはこちらをご覧ください。
新規片頭痛治療薬
『エムガルティ』
エムガルティは、片頭痛の治療に使用される薬物で、主成分としてガルカネズマブを含みます。
ガルカネズマブは、抗CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)療法の一環として開発され、CGRPは、片頭痛の発作と関連していると考えられる神経伝達物質です。
ガルカネズマブはCGRPと結合し、片頭痛の発作を調節する神経伝達を抑制することで、痛みや症状の緩和を促進することができます。
皮下注射として投与し、 片頭痛の予防的な治療に用いられます。
効果は個人により異なりますが、一部の患者では片頭痛の頻度や重症度が減少することが報告されています。一般的な副作用には皮膚反応(注射部位の発赤やかゆみなど)が挙げられます。
エムガルティの投与間隔
エムガルティは初回に2本、2ヶ月目から1ヶ月に1本注射をします。
エムガルティの費用(3割負担の場合)
- 1本約12,802.5円
- 初回(2本注射)約25,605円
- 翌月以降(1ヵ月月に1本)約12,802.5円
新規片頭痛治療薬
『アジョビ』
『アジョビ』もエムガルティと同じく片頭痛治療薬です。
片頭痛の発現に重要な働きをしていると考えられているCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)に選択的に結合し、CGRP受容体への結合を阻害することで、片頭痛発作の発症を抑制します。
アジョビの投与間隔
●4週間に1回、1本注射
●12週間に1回、3本注射
アジョビの費用(3割負担の場合)
- 1本あたり約11,727円
新規片頭痛治療薬
『アイモビーグ』
アイモビーグは、片頭痛患者向けに特に設計された完全なヒトモノクローナル抗体であり、CGRP受容体の阻害を通じて片頭痛の予防を目指した薬です。
メーカーが発表内容では、治療開始後1ヶ月で月間の片頭痛発作の頻度が有意に減少する傾向が見受けられ、プラセボ群と比較して治療を開始して1ヶ月目から有意な差が認められ、この効果は治療を継続して6ヶ月まで持続したという結果がでています。
アイモビーグの投与間隔
4週間に1回の間隔で、1回1本投与します。投与予定日に投与できなかった場合は、可能な限り速やかに投与を行い、以降はその投与日を起点として4週間に1回の間隔で投与を行います。
アイモビーグの費用(3割負担の場合)
- 1回あたり約11,694円
急性期治療薬『レイボー』
レイボーは2022年1月に販売が開始された新しい片頭痛発作の急性期治療薬です。
片頭痛を持たれている方がいつも通りの生活を送れるようにするために開発された薬です。
レイボーは片頭痛の痛みに関係しているセロトニン1Fという受容体に対して選択的に結合して痛みを抑制する薬です。
服用30分後頃から効果が出現し2時間後に頭痛を消失させ効果は24時間持続します。
薬は一般的に脳に直接作用しにくい構造ですが、レイボーは血液脳関門を通過しやすいため、トリプタン系の薬と比べて内服するタイミングが遅れても効果を発揮します。
血管収縮作用がないため、心筋梗塞や脳梗塞の既往のある方でも服用できます。
レイボーの費用(3割負担の場合)
- 50mg錠(1錠)97.41円
- 100mg錠(1錠)171.27円
医療費が高額になった場合、
医療費助成を利用できます
医療費が高額になった場合、費用の負担を軽減できる制度があります。
以下に主な3つの制度をご案内いたします。何れも公的利用できる制度です。
ご不明点がございましたら、お気軽に当院の受付にお問い合わせください。
付加給付制度
(医療費が軽減されます)
- 付加給付制度は、医療費の一部が払い戻される制度です。
- ご加入の健康保険組合によっては、高額療養費制度よりも低い自己負担限度額を、独自に定めている場合があります。
- 1カ月の医療費の自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます。
- 自己負担限度額は各健康保険組合によって異なります。
- 高額療養費制度と組み合わせて利用できます。※高額療養費制度を利用してもまだ高額な場合。
- ご留意点
- 付加給付制度がない健康保険組合もあります。ご加入の健康保険組合などに確認してください。
- 国民健康保険の方は対象外です。
- 詳細は加入されている健康保険組合などにお問い合わせください
医療費控除
(税の負担が軽減されます)
- 税の負担が軽減される制度です。
- 1年間に一定の額を超える医療費(多くの場合は10万円)を支払った場合に、税務署に申告(または電子申告)することで所得税が軽減されます。
- 確定申告(確定申告の義務がない人は還付申告)で還付金を受け取ることができます。
- 対象となる医療費:診療費、薬剤費、入院費、通院時の交通費など。
- 領収書やレシート提出は不要ですが5年間は保管する必要がああります。
- 詳細は国税庁ホームページをご確認ください。
高額療養費制度
(医療費が軽減される)
- 医療費の一部が払い戻される制度です。
- 公的な医療保険(国民健康保険、企業の健康保険組合など)で利用できます。
- 1カ月の医療費の自己負担限度額を超えた金額が払い戻されます。
- 自己負担限度額は、患者様の年齢や所得などの条件により異なります。
- 公的な医療保険の種類:国民健康保険、被用者保険(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合)、後期高齢者医療制度
- 詳細はご加入の医療保険の窓口などにお問い合わせください。